はじめに
みなさまこんばんは。今回の記事は以下の記事の続きになります。
前回はROAのみの説明になりました。
ROAとは「会社の全ての資産を投入してどれだけ利益を生み出しているのかを示す指標」のことでしたよね。
ROAが高いということは「資産全体を効率的に活用できている」と同義なのです。
それではROEとは一体何なのでしょうか。
今回はそれについてご紹介していきたいと思います。
ROE

ROEは英語でReturn on Equityの略で、日本語では「自己資本利益率」と言います。
Equityが自己資本を意味しますが、ここでの自己資本とは、株主から供出された資本金と、会社自身が持つ資本金等を合わせた資本のことを指します。
これは会社が株主の資本を用いてどれだけ利益を生みだせたかを測るためのものです。
ROAも大事ですが、株主にとっては自分たちが供出した資金からどれだけ利益が生み出せるかが大切です。
なぜなら、ROEが良くなれば良くなる程、1株あたりの自己資本額が高くなるので、配当金も高くなっていくからです。
配当金の仕組みなどは私もまだ勉強中ですので、きちんと理解できてから記事にしたいと思います。
※現時点で公開している記事に関しても、追加で私が得た情報及び内容の修正などがあれば随時追加してまいります。
ROEの計算式は、
当期純利益÷自己資本×100(%)
というようになっています。
要するに自己資本に対してどれだけ純利益があるのかを表すのがROEということなのです。
もう1つ計算方法があります。
1株あたり純利益(純利益/株数)÷1株あたり自己資本(自己資本/株数)×100
株主からすればこちらの指標の方がわかりやすいかもしれません。
例えば、
- 1株=1,000円
- ROE = 20%
- 所持株数=500株
という条件だったとしましょう。
この場合、
1,000円×500株×20% = 100,000円
という計算になり、500株当たり10万円の利益を生みだせたと考えることができるわけです。
これが毎年どんどん積み上がっていくと何だか会社を一緒に成長させているようでワクワクしそうですね。
しかも配当金も株の価値もどんどん上がっていく。
いかに成長していても外的要因や内的要因で浮き沈みはあるので、多分そんな企業はそうそうないとは思いますが笑
ROEを高める方法2選

高いと嬉しいROEですが、高める方法は主に2通りあります。
- 負債を増やして新規事業への投資や企業買収などで自己資本を減らして収益だけを伸ばす
- 余っている資金を自社株の購入に充てて自己資本額を減らす
必ずしも悪いとは言えないのですが、これらの方法には落とし穴があります。
まずは1つ目:負債を増やす方法
これは金融機関からお金を調達して新しいビジネスや企業の買収を行なってその利益増やすという方法です。
利益が増えるので当然純利益も増えます。計算式で言うところの分子を増やすと言うことです。
この方法は収益が伸びることを前提として行うので、収益が伸びなければただ借金が増えただけになります。
1年だけなら最悪なんとかなっても、2年も3年も利益化できなければ借入金を返せなくなるかもしれないので、過剰投資でROEを増やす方法は危険です。
そして2つ目:自己資本を減らして圧縮する方法
これは自社の株を自社のお金で買うということです。株主から買い戻すということですね。
こうすると株式は自己資本にならないので、見た目的には自己資本が減って圧縮できます。
※自己資本としてカウントしないだけで、固定資産(投資有価証券)として社内には存在することになります。
この方法を行うと計算式では分母が減少します。
ですが、自己資本が減るということは、総資産における自己資本比率が下がってしまうので、あまりにも自己資本比率を下げてしまうと、
「何かあった時に持ち堪えられるのか?」と株主に思われてしまう可能性もないとは言い切れません。
自己資本比率が10%くらいでよく見たら借入金が総資産の60%近くあったとしたら怖いですよね。
「もし銀行にいきなり借入金全額返済しろって言われたら潰れるよね…」
なんて考えてしまうわけです。
ちなみに借入金の全額一括返済を求められる企業もあります。
例えば、業績が悪化しすぎて赤字を何年も垂れ流している企業などです。
返ってくるかもわからないお金を貸そうなんて思いませんよね。
友達とかならいいかもしれませんけど、あくまで借入金の利子で儲ける銀行などの立場からすれば絶対嫌だと思います笑
ということで、全部は無理でも、少しでも回収しようと一括返済を迫ることがあるようです。
最後に
話がちょっと脱線してしまいましたが、今回はこの辺で。
簡単にまとめるとROEとは、
- 株主の資本でどれだけ利益を生み出せているかを測る指標
- 増やす方法は2通りあるが、やりすぎは財務バランスを崩す
- でも基本的に高い方が株主的にも嬉しい
となります。
次回はまた別の財務指標についてお話しできればと思います。
それでは!