みなさまこんにちは。
今回は企業の財務が健全かどうかを測る指標についてご紹介したいと思います。
企業の財務の健全性とは、
- 資金調達と投資活動は噛み合っているか
- 突然の出費に耐えられる程度の現預金はあるか(次回)
などが挙げられます。
それでは1つずつ見ていきましょう。
資金調達と投資活動のバランス
これを測る指標には「固定比率」「固定長期適合率」という2つの指標があります。
正直どちらも同じものを測る指標なのですが、順番に説明していきます。
まずは「固定比率」です。これは固定資産(工場とか土地)を自己資本でどれだけ賄えているかを示す指標です。
ですので、以下の表だと 固定資産÷純資産×100% で計算することができます。

固定資産は、「営業活動に必要だけど利益化するまでに時間がかかる」資産なのでそれを借入金で賄うのではなく自分の資本で賄えているのかということを測ります。
つまり100%を超えていると足りない分は借入金等で賄っているということになります。
でも実際100%以下の企業は一部の大企業しか達成できません。
日本の全企業の99%が中小企業なのにこれが基準になってはあまり分析の参考にはなりませんよね。
そこで「固定長期適合率」という考え方が出てきます。
これの計算式は 固定資産÷(固定負債+純資産)×100% です。
先ほどの式では自己資本だけで割りましたが、今回は固定負債も自己資本の一部として計算しています。
なぜなら固定負債とは「一年以上かけて返済できる猶予が与えられた負債」のことだからです。
固定資産は前述の通り「一年以上かけて利益化するもの」なのでそれの負債版だと思っていただければ考えやすいかと思います。
返済猶予があるから、返済期限が迫るまでは自己資本として考えても良いという考え方ですね。
これが100%超えてくるとあんまりよろしくないのです。
100%を超えるということはつまり、流動負債「一年以内に返済しなければならない負債」で賄っているということになります。
固定資産は利益化するまでに一年以上かかるにも関わらず、その資産を一年以内に返済しなければならない負債で賄っているわけで、それはうまくバランスが取れてないことがわかります。
採算性が取れなくなってしまったら借入金を返済できなくなり、ビジネスが破綻してしまう可能性があります。
固定資産はあくまで自己資本と固定資産を比較しているので、100%超えていても業界平均を超えていなければまだ大丈夫と言えます。
業界によってこれらの値は変わるので、数値だけでなく業界平均にも着目することが大切です。
「突然の出費に耐えられる程度の現預金はあるか」についてはちょっと長くなるのでまた別の記事でお話しできればと思います。
それでは!
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